在庫・出荷管理アプリを作ってます⑧:ChatGPTで土台を作り、ClaudeでUI、UXを磨いた【トップページ&ログイン画面の改善】

目次

はじめに

これまで7回にわたって農業向けの在庫・出荷管理アプリを開発してきました。
認証、出荷予定、出荷実績(OCR)、出荷先マスタ、役割別権限など、基本機能は動く状態に。
ただ、ざっくりとしか着手しておらず、実運用を考えると「もっと使いやすいUI/UXにしたい」という課題が見えてきました。

初回にも述べましたが、AI補助としてChatGPTを利用しています。
今回からはこれをベースに、元々興味があったClaudeの提案を取り入れて
トップページとログイン画面のUI改善を行った内容を記録します。

※現在ChatGPTとClaude両方課金しています。
どちらがいいのか、片方でいいのかしばらく使ってみたいと思っています。


発覚した課題と改善の方向性

ホームページの問題点(UX改善前)

  • 起動すると「判別中です…」しか表示されない
  • アプリの説明がなく、いきなりログイン状態判定に入る
  • 初回利用者には不親切
起動すると、いきなりこの画面になる。トップページもなく殺風景

ナビゲーションの問題点(UI改善前)

  • メニューが「出荷一覧」「ログアウト」のみ
  • 役割別の機能分けがない
  • どこに何があるか分からない

管理者機能の不在

  • 生産者・流通業者のみ
  • システム管理機能が存在しない
  • 全体を把握する手段がない

ログインしたら出荷登録画面になる。メニューバーには出荷一覧とログアウトしかない。

在庫管理アプリの段階的UI/UX改善

Phase 1: ホームページの抜本的改革

  • 課題:「判別中です…」のみの不親切な画面
  • 改善内容
    • 未ログイン時 → ランディングページ(システム概要・機能紹介・CTA)
    • ログイン時 → ダッシュボード(役割別メニュー・今日の概要表示)
未ログイン時(説明がつき、上部にログインボタンと新規登録ボタンを配置
ログイン画面
ダッシュボード式にして、概要がわかるように

Phase 2: 管理者機能の追加

  • 課題:管理者が存在せず、全体把握ができない
  • 改善内容:管理者用ナビゲーションを追加し、生産者・流通業者の機能をすべて閲覧可能に

Phase 3: ナビゲーションの完全刷新

  • 課題:最低限のメニューのみで迷子になりやすい
  • 改善内容
    • 役割別の本格的なナビゲーションバーを導入
    • アクティブ表示・ツールチップ・ホバー効果・レスポンシブ対応を実装

Phase 4: 認証フローの統一

  • 課題:ログイン後のリダイレクト先が役割ごとにバラバラ
  • 改善内容:ログイン後は全員ダッシュボードへ統一 → 状況把握後に作業選択が可能に

ChatGPTとClaudeのアプローチの違い

ChatGPTに頼んだこと

  • 技術実装重視:「機能を作る」ことに集中
  • 個別最適化:機能ごとに独立した開発
  • 完了志向:「動けばOK」で終了

Claudeに頼んだこと

  • UX設計重視:「使いやすさ」を最優先
  • 全体最適化:システム全体の一貫性を重視
  • 段階的改善:影響範囲を考慮した安全な実装

※ただし、最初にClaudeに頼んでいたらどうなっていたか、ChatGPTでも同様に改善できたかなどの実証はしていません。


UI/UX改善の具体例

エラーメッセージの日本語化

  • Before: Invalid login credentials
  • After: メールアドレスまたはパスワードが正しくありません。

権限管理の可視化

  • Before: 全員同じメニュー、利用可能範囲が不明
  • After: ヘッダーに「管理者版」「流通業者版」を表示、権限に応じたメニューを出し分け

情報アーキテクチャの改善

  • Before: ログイン直後に作業ページへ直行
  • After: ログイン後はダッシュボード → 状況把握 → 作業選択

開発を通じて

1. 「動く」と「使える」の違い

  • 動くシステム:要件を満たし、エラーなく稼働
  • 使えるシステム:直感的で迷わず、現場業務に適したUX

2. 段階的改善の効果

  • ホームページ改革 → 第一印象の改善
  • 管理者機能追加 → システム全体を把握可能に
  • ナビゲーション刷新 → 操作性を抜本的に改善
  • 認証フロー統一 → 一貫したユーザー体験を提供

改善の成果

定量的な改善

  • メニュー数:2個 → 役割別で3〜6個に拡張
  • ページ遷移:分散 → ダッシュボード統一
  • エラーメッセージ:英語 → 完全日本語化

定性的な改善

  • 第一印象:「判別中…」 → プロフェッショナルなランディングページ
  • 操作性:迷子になる → 直感的に操作可能
  • 管理性:個別管理 → 統合ダッシュボード

今後の展開

  • 出荷先マスタ管理の改善
  • OCR機能の精度向上
  • モバイル対応の強化
  • 承認フローの実装

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